2021年08月07日

ASL109

 昨年末頃からASLに友人とともにゆっくりまったり復帰するつもりでVASLを拝見していたところ、数名の日本人が活発にサイトをご活用されていることを発見、数回観戦させていただいていました。その折、SKからスタンダードに移行されるということで先日のT1戦にお付き合い頂いたt_taka様にもAFVのスタンダードを感じていただきたいという流れになりました。そこでなぜか現時点でルール・スキルともしっかり把握されているINB様と私の対戦をt_taka様とぴょん様の対戦と並行して行おうという話になりました。対戦期間は4/24-5/8の中で3回でした。
 私自身がルールうろ覚え、感覚も適当ということがあり、難易度の高い防御側をINB様にお願いすることになりました。

 シナリオはASL109、あるいはA37として知られるDreil teamです。44年9月下旬、マーケットガーデン作戦中の出来事で現在のベルギー国境に近いライン川にほど近いかの有名なアーンヘムから東へ5Km程度いったところにある町(Driel)に位置したポーランド軍との合流にまつわる戦闘の話です。防御側のドイツ軍は攻撃側の英軍が1.5個中隊規模であるのに比べ2個小隊と歩兵戦力はかなり劣りますが、パンターが投入されており、この活用がシナリオカードにも書かれているように英軍にとってのBloody fightとなるかどうかの分かれ目になります。

 さてセットアップは以下の通り。水障害はSSRで渡河できる位置が盤端の各1ヘクスずつと定められていて、2か所の橋ヘクスを加えた4ヘクスのみが突破位置となります。この防御にドイツ軍は歩兵をほぼ半々、英軍の配置位置から近く大量の部隊が入ると広範囲に展開されるため守りにくくなる盤下部側にパンターを配していました。対する英軍は、1)主攻軸は盤の上部側、2)助攻となる盤の下部側は大半が抜けられればVCを満たせる程度の部隊を配置し容易に主攻軸側への移動を行わせない、の2点を全体方針としました。ここで煙幕が対パンターでカギとなりそうと踏んだため、PIAT部隊が接近できる位置またはCCなどで有利に働く条件の場合にこれを撃てるようにするため、それまでは通常の地域目標・HEで射撃する、と決めました。うまくいけばROFが回って多少の成果はあげられるのではと期待したわけです。
 初期配置はいうまでもなく戦況を左右する大きな要素になります。なればこそ攻略すべき地形や影響をしっかり調べておかないといけないのですが、甘えて(怠けて)深淵は入って、次に出て、あとは何とか、程度にしか考えていないという練度の差が後々、露呈することになります。特に対パンター戦で…
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 実際に動かしてみると、最初のターンで気を付けたのはいかにもパンターが狙っているT2,U2あたりの道路ヘクス。ここにLOSがあれば-2となりますので、あっという間に部隊が雲散霧消となってしまいます。それとP7の分隊にはこちらから準備射撃がほぼ通らない盤下部端の方へのLOSも気になるところ。一つの手段としてT1に9-2+MMG+SQ*2を配しておき、Prepでこれを射撃すると橋にぎりぎりかかるかどうかというLOSですので8FP+0または+1で射撃をする、同時に冒頭の方針とは異なりますがZ6にあるMtrでP8へ煙幕を張るということが成功すれば、パンターの射撃による損害を考慮しておくことで有利に進められたかもしれません。あくまでifですが。

 さて1ターン目の英軍はX9へやや無謀にも進んでPINとなったことを除けば盤の上部でも煙幕手榴弾もさく裂し、比較的順調に前進します。ここでまず失敗がいくつか。この配置でうまく攻撃が機能するのであれば、P列の建物にいるドイツ軍は開豁地のため低い可能性ではありますがO8を経由して後退することも考えておくべきです。となればここを見通せる位置に部隊を置くべきです。具体的にはV8に突撃させてしまったLMG+SQは留め置くべきでした。またMtrもAQはありますが、ここには煙幕を想定しない前提であれば突撃で1ヘクス前進させるなど、ただでさえ思いSWを抱えている部隊で、かつ、ROFが回りやすいことを考慮して進めるのもありでした。

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 裏のドイツ軍、粘る必要がありますので簡単に盤の上部・下部を行き来する時間・戦力的な余裕もありません。そのためまずはお互いの小手調べということで1ターン裏は下部側で射撃の応酬で先ほどの懸念点を見事に衝かれました。V8の分隊が混乱、また橋を目の前にしてパンターに一応、にらみを利かせていた分隊も混乱します。他方、こちらも9-2を投入しており、P8の1個分隊を混乱させてイーブンといったところでしょうか。
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 2ターン英軍はまだパンターが下部に居座っているのをみて、上部側はひたすら前進します。あわよくばパンターが回り込む前に橋を占拠したいという勢いです。そのため、下部側は多少の犠牲は払ってでも、ドイツ軍を足止めするように射撃・移動を行いました。しかし思ったようにはDeepとなっている水障害を渡れず、時間がかかりそうです。
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 そんな英軍の動きを見て取ったドイツ軍はパンターを上部へ動かします。このあたりの移動感覚は見事というほかありません。3ターンに火力でドイツ軍分隊の影響を少しでも低減させられる位置まで回し切れていない状況では仮に渡っても戦力が減少し、安全な位置につけない以上、パンターによって蹂躙される可能性が極めて高くなります。
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 3ターンに入って英独ともに混乱していた部隊もほぼ戦線に復帰します。主攻軸側は無理やりでも突っ込むとの勢いで橋と隣のDeepヘクスへ移動をしますが、防御射撃の前にHSが混乱しますが橋にとりつくことに成功、ただ渡り切れなかった、これがまた考えが浅かった。助攻側は散発的な射撃戦で膠着状態。よく考えていない状態で、いよいよパンターと相対することになります。
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 ドイツ軍はパンターを橋の出口ヘクスに鎮座させます。この主攻軸である上部側は橋またはその隣のDeepヘクスからしか抜けられないため、J1にパンターを置くことで正面からのPIATではほぼ対処できなくなるということにここで気づかされたのです。パンターのAFが18、PIATのTKナンバーは15ですから、TKDRでピンゾロのみで破壊できることになります。この時点で英軍はうまくいけば主攻側から部隊を後方へ押し出すが、基本は助攻側でExitVPを稼ぐ、そのためには多少無謀でも、パンターが背を向けられないよう、圧力をかけ続けるという選択をしました。
 よく考えればここで無理をせずに、下部側へ部隊を回すという選択も時間的にはまだあったのですが、そこまで考えが及びませんでした。そもそもまだ助攻側はドイツ軍2個分隊が健在で、指揮官と混乱分隊もいるのです。3ターンだし、などと意味不明な余裕をもって対処を考えていたのは先が見通せていませんでした。そのパンターに射すくめられるかと思った橋の上の分隊ですが、HoBとなり、Heroが登場。これはこれでどうするか、非常に悩むことになりました。
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 4ターンは準備射撃で助攻側の障害であるP9ドイツ軍分隊+LMGを9-2指揮官スタックで混乱させることに成功。またO列で回復できなかったドイツ軍分隊にO4のHSが1FP+2で射撃。英軍1戦級は畏縮しない利点を生かし、ピンゾロでNMCとなるため自動的にDMを付けられるのです。ここでまさかのピンゾロ。指揮官はさすがに混乱しませんがSQはたまらずHSに損耗。主攻側は準備射撃ではどうにもならないと判断してN2のMMGでP7を射撃するとこれもLowRollで混乱。一気に助攻側で侵攻のチャンスになりました。問題は主攻側。拾った命+湧き出たHeroなので踏みとどまるべきだったかと今なら思いますが、結局下がってしまって、それでもやはりパンターの前には負傷・混乱となってしまいました。代わりにDeepヘクスへ次々と部隊を送り込むも混乱に次ぐ混乱。やはりパンターが文字通り大きな壁となります。戦術としては、このターンで主攻・助攻のバランス見直しをするべきでした。
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 裏のドイツ軍の綿密な防御射撃により、攻める一辺倒でいた英軍の主攻側がさらに混乱。効力射撃を行える戦力が大幅に低下してしまいました。また助攻側の防衛にドイツ軍は歩兵をH4の上階へ送り込み始めます。ここで大きなルールのミスがありました。次のターンで同じような結果になったかもしれませんが、助攻側が潰走不能として捕虜に。しかし実際には2階へ潰走できたため、英軍潰走までは最低でも維持できたはずなのです。お互いの確認ミスでした。今後、気を付けましょう…
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 ゲームとしてみると英軍が有利かと見えたのはここまででした。続く5ターン、奇跡を期待してPIATを撃ちますが、そんなものはありません(苦笑)。助攻側の移動も残った指揮官に撃たせようと捕虜持ちを無理に動かしたり、方針のばらつきと無謀さが目立ちました。ただここでの失敗は捕虜持ちの潰走をM10からK9へ進めたこと。今後の防御や進めることを考えるのであればJ10にする方がよかったのです。対パンターでもDeepからCCで狙いましたが、PAATCでDR3、惜しい、と一瞬思いましたが、CXでしたので結局DR2のみでした。事態の打開も奇跡頼み、ですからね…
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 ドイツ軍は助攻側でしっかり鍵となるヘクスH8に分隊を移動させ、英軍の妨害体制を築き上げます。また人事を尽くしていないためか、英軍のMCDRも奮わず、主攻側は崩壊寸前です。
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 この6ターンはすでに戦力も大きく消耗していて、移動で何とかすべきところだったかもしれませんが、いくつかPrepを撃ってしまい、残った部隊もパンターの前にまた削られていきました。ドイツ軍のターンの回復では6ゾロを出してしまってHSが消えるなど、厳しい状況。英軍としては何とか助攻側単独でもなんとかできるようにしないといけない状況に追い込まれつつあります。そんな中で苦し紛れにN2からH4L2へ向けて撃った4FP+3がDR3で混乱、ぎりぎりで勝負として成立しそうなところで踏みとどまりました。(以下の上が6ターン英軍後、下が独軍後)
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 ここから終盤です。7ターンは助攻側で10VPは何とかたどり着けるところに来ましたが、これからが肝心です。
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8ターン、よくよく考えると無理に突破を図る必要があったのか、見直すと取れる方法はいくつかありました。採択したのは今まで同様、歩兵を無理にでも撃たせる位置に進めながら最小限を突破させる方法。しかしこれでは助攻側のみでのVP達成は厳しいため、主攻側もすり抜ける必要があります。助攻側の突破ルートは盤端を進むコースと守る部隊のいる中央を抜けるルート。中央は特にパンターのLOSも効いているのですが建物をうまく使って運頼みという手もあります。さらにまだ2ターンあり、幸い指揮官もいることから、CCでこの8ターン中に歩兵を消耗させて抜け出すパターン。ただこれは自分たちも倒される可能性があることと、DRによっては自分で拘束される時間を延ばして最悪、突破以前の議論となります。

 結局移動、そして中央型を選んでしまった、というより安易に選ばされてしまったというのが失敗でした。細かいところはこのターンだけでもキーとなる点がいくつかあり、例えばH5のPIAT持ちがうまくすればE3またはF2に入るチャンスがありました。そこで防御射撃から生き残ればパンターに一発お見舞いする機会もあったかもしれないのですが、歩兵をたたく方向といかにして主攻の残存部隊をまとめるかに腐心して考えがおよびませんでした。また助攻側もCCを使うかということまで考えるなら、H8に8-1の部隊でAM→CCという選択の方が安全だったかもしれません。結果的にH8のドイツ軍SQとパンターに混乱・負傷させられてほぼほぼ勝負あったになりました。
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 あとは最終ターンにパンターへ煙幕手榴弾がはまれば突破できるかもと思って進めたもののdrでNG、主攻側から移動するも射すくめられてThe Endでした。
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 久しぶりに新しいシナリオで、しかも長時間の対戦となりましたが、INB様にはいろいろお付き合いいただきました。以前は妙に勝負にこだわっていて、もちろんゲームですので負けたら何だろうなぁと思うものの、手段を考えるということで久しぶりに対戦がとても楽しいことを感じました。ご観戦いただきました皆様にも御礼申し上げます。ありがとうございました。
posted by tamagon at 21:41| Comment(2) | TrackBack(0) | ASL